小説「月下の花」用語集 生活文化編
【椅子】いす。生理用品のこと。コットンを布でくるんだものを、パンティーにはさんで使用。バイストン・ウェルのナプキンだが、ナプキンという言葉はない。ちなみに、サイドウイングもシールもないので、よくずれる。商品として流通している。
椅子~ふつうの日用~
椅子~夜用ながいの~
の2種類。
例)「急にきてしまって、椅子がないのだが、どうしよう」
「わたくし持ってますから、差し上げますわ。あちらのドラムロの陰で…」
と、男性に見られないようにコソコソ取り交わす。
【赤詰草】あかつめくさ。バイストン・ウェル特有の植物で、葉を煎じた頓服は、鎮痛剤になる。バイストン・ウェルでは、一般的な常備薬。但し、ガラリアは、ユリアに教えてもらうまで、これが生理痛にも効くとは、知らなかったらしい。
語源(元ネタ)は、筆者愛飲の、DHCのサプリメント、レッドクローバーエキスである。地上の「あかつめくさ」は、通称「馬肥やし」と言い、東北・北海道では、ありふれた雑草である。DHCのは、鎮痛剤ではなく、女性ホルモンの分泌を良くして、月経周期の安定を促す健康食品。
【ニカ】バイストン・ウェル特有の動物。かばん型、かばん大で、有袋類、肩かけひもつき。要するに、生きてるかばん。女性用の小物を入れるのに丁度良い、ポシェット大。持ち主のコモンが、寝静まると、自由意志で飛び回るらしいが、それを目撃することは、困難らしい。
ニカを持つことが、アの国の少女の間で大流行した。原作では、ニカを愛用しているのはリムルだけだが、本編では、ガラリアも、持ち歩いている。
<ガラリアのニカの中身>
・本日の口紅
・小さいコンパクト鏡
・ガーゼのハンカチ
・ちり紙
・赤詰草の頓服いっこ
・生理日には、椅子いっこ
【フォト】写真のことを、原作ではこう呼んでいた。ショット来訪以降のバイストン・ウェルでは、白黒写真が撮れるカメラは、あるらしい。
ちなみに、カメラ、写真というものが、この世に生まれ出るや否や、人類がスルこととは、ヌードを撮ることである。西洋でも日本でも、カメラ創生期に撮られた写真のほとんどは、きれいなねーちゃんのヌードヌードヌードである。いつの時代も、どこの国でも、人類が考えることは、同じなのだ。映画にしろ、インターネットにしろ、映像媒体が発達する原動力は、エロ力(えろぢから)なのだ。
フォトが流通し始めた、バイストン・ウェルの商店街の裏通りでは、さぞかし、
「にいちゃん…いいフォト、あるでー。1枚、3銭やけど、にいちゃん男前やで、5枚で10銭にまけたるで。どや、モロ見えやで、ヘッヘッヘ」
な、エロ写真売りが、跋扈していることであろう!
【エツ】生きてる杖。ドレイクとロムン・ギブンが愛用。この、身も蓋もないネーミングセンスは、筆者のせいではない。
【ゴミ分別】専門の業者(民間、つまりバイストン・ウェルでは平民)が、決まった日に回収し、燃料に、再資源にと活用している。普通ゴミの日、びんの日、割れガラスの日、ろうそくカスの日等、こと細かく決まっているらしい。
【銭】ぜに。バイストン・ウェルの通貨単位。金属製の硬貨。1銭(硬貨1個)は、日本円でだいたい200円。銭1袋は、だいたい5万円。
【大食堂】ラース・ワウ城内で、下士官以下の兵卒が食事を取る場所。有料。カウンターで注文してから着席し、給仕が注文したものを運んでくる。料金は、給仕に渡すか、「お金ここ置くよー」と言って、テーブルに銭を置き、席を立つ。ガラリアがおなかいっぱいになる量の料理で、値段は4銭くらい。メニューは豊富だし、城下の店に行くより安いので、ここを利用する者が多い。
【バイストン・ウェル文字】表音文字。地上人で英語圏の、但しインテリのショットとゼットが、数ヶ月で習得してしまえる程度の難易度。英語のアルファベットに似た配列。楷書体と筆記体がある。
【植物及び材質の名称】筆者が最も悩んでいる点。
真紅のバラの花のような、とか、百合の花とか、上述のコットンとか、銀色の金属とか、ビロードとかサテンとか。美しい女性を花の名に例えたり、服や装飾品の描写をする際、既知の物質で例えるとわかりやすいし、
「今朝のガラリアは、素肌が朝露をふくんだ睡蓮のようにきらめき、その姿が湖畔に映り…」
とかなんとか、書きたいのだが、バイストン・ウェルは、地上とは植物も動物も、全然違うらしいので、本文中で、いちいち「地上で例えるなら睡蓮」と書くのがうざい。どうしよう。